学びの中心! 富士見中学校・高等学校のラーニングハブ

みなさまこんにちは。私学妙案研究所の清水です。

先日、東京都練馬区にある、富士見中学校・高等学校にうかがいました。

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富士見中学校・高等学校は、2020年の創立80周年に向け、中学・高校校舎の建替え、教育環境の整備が行われています。その一環として、図書館もその使い方も含めて再検討をされ、今年(2018年)の9月に「Learning Hub(ラーニングハブ)」としてリニューアルオープンしました。校舎全体もとても明るい雰囲気ですが、こちらの図書館も、開放的で、カフェのようです。

 

ラーニングハブを見学させていただくとともに、空間構成、図書配置、家具の選定など、全体に関わられた司書教諭の宗愛子先生にお話を伺いました。

 

まずは空間構成について、館内に掲示されていたマップを使って解説させていただきます。

ラーニングハブは、2階から3階の二層ににわたり、階段でつながっています。

どちらにも書架と、読書・学習スペースがありますが、置かれている家具が少し異なります。

 

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3階の入り口から見たところです。

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カフェのような雰囲気ですね。手前の机と奥の机で高さが異なっていて、自分に合った場所を見つけられそうです。重い雰囲気にならないよう、床の色の明るさにもこだわりがあるそうです。

書架の手前には、ソファーとカウンターを組み合わせた家具があります。

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そして、天井にはプロジェクターがセットされていて、スクリーンを引き出すと、ミニレクチャーやプレゼンテーションができるようになっています。

このソファの角度が、お互いリラックスして座れるそうです。

 

放課後、このスペースで自習をする生徒さんたちもいるそうですが、話してはいけないというルールはなく、生徒さんたちは思い思いの使いかたをしているそうです。校舎内には他に自習室があるため、黙って集中したい生徒さんはそちらで勉強するそうですよ。

 

2階には、可動式のテーブルと椅子があり、1クラス分の授業ができます。

見学させていただいた際は、クラブ活動でのグループワークが行われていました。テーブルごとにホワイトボードがあるのは、使い勝手がよさそうですね。

机と椅子を完全に壁側に寄せて使うこともできます。先日は、国語の授業で竹取物語の劇が行われたそうです。

 

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季節の本のコーナー、アートのコーナ、本の福袋などがあり、生徒さんたちが本に興味を持つきっかけがたくさん準備されていると感じました。

 

ラーニングハブは、放課後だけでなく、授業中もよく使われます。

富士見中学校の探究プログラムは、「課題設定」、「情報の収集」、「整理・分析」「まとめ・表現」の力を、3年間でつけていきます。調べたり、文章を書いたりする機会が多くあり、宗先生がサポート、アドバイスをされるそうです。たとえば資料を読みこむことを目的とするか、調べる力をつけることを目的とするかで、宗先生の準備のされ方も変わってくるそうです。中1、中2の生徒さんたちが探究の結果をまとめた冊子を見せていただいたのですが、様々な資料を参照し、わかりやすくまとめられていることに驚きました。

 

その他の教科についても、図書館を活用するシーンは多くあり、教科の先生と、宗先生が相談をしながら授業をつくられるそうです。まさに図書館 、そして宗先生が学びの中心、ラーニングハブですね!

 

図書館とはいえ、本が主役なのではなく、生徒が、そして生徒の学びが主役であるべきなんだな、とお話を伺いながら、感じました。

見学をさせていただき、ありがとうございました。