オルセースクールミュージアム in 東京女学館 開催中です!

みなさまこんにちは。私学妙案研究所の清水です。2019年3月24日(日)~31日(日)の8日間、東京女学館中学校・高等学校(東京都渋谷区広尾)にて、「オルセースクールミュージアム in 東京女学館」を開催中です。今日でちょうど前半が終了したところです。来場された方から質問を受けたり、運営に関わっていて私も気が付いた事がありますので、あらためてご紹介記事を書きたいと思います。

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オルセースクールミュージアムとは、学校を一定期間ミュージアムに変身させるプロジェクトです。校内に作品を展示し、先生や生徒、保護者、卒業生に鑑賞してもらうとともに、この期間だけは広く一般のかたにも開放し、楽しんでいただきます。これまでも関東、関西で合計8校で開催してまいりました。

 

スクールミュージアムの展示の中心となりますのは、パリにあるオルセー美術館所蔵の印象派を中心とした絵画の「リマスターアート」です。

 

リマスターアートとは、言葉通りRe-Master(原作を再現する)という意味で、入力から出力までを統括するコンピュータ画像運用技術です。この技術は、スクールミュージアムの展示にご協力をいただいているアルステクネ社、久保田光巌氏の20年間の試行錯誤によって生まれました。独自の技術で絵画を様々な角度から撮影、外線やX線も使い、何重にも塗り重ねられた絵の具の奥も分析。その後細かい修正作業で、凹凸を再現し、学術的な検証も交え作家が意図したであろう環境光を再現し、原画と比較しながら、何度も色校正を行います。そういったプロセスを経て、原画を見ているようなクオリティの復原画が出来上がります。

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オルセー美術館での撮影風景

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リマスターアートのクオリティについては、ぜひ会場でご覧いただきたいのですが、上の写真のように、ルーペやペンライトを使っても、わからないくらいです!そして、これがもうひとつのリマスターアートの楽しみ方なのですが、原画と違い光に強いため、ライトをあててしっかり見ることができます。ペンライトもルーペも会場で貸し出していますので、ぜひお使いください。

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そして、さきほどのオルセーミュージアムでの撮影シーンと見比べていただきたいのですが、スクールミュージアムでは、壁面も、再現しています。絵を飾るための壁を立てているのです。今回の開催でも「オルセーに行ったことがあるけどここでまた楽しめてよかった」と言って下さる方も何名かいらっしゃいました。

 

そして今回東京女学館で開催となった経緯については、以前こちらのブログでも館長福原先生のインタビューを紹介させていただいたのですが、

https://s-goodidea.hatenablog.com/?page=1541478608

今年度が東京女学館創立の130周年にあたり、その時代が印象派の絵画が描かれた時代に重なるからです。特に第一会場にあるゴッホの「ローヌ川の星降る夜」は、創立年と同じ1888年に描かれたといわれています。

第一会場は、印象派の少し前の時代から、印象派印象派後期まで、その時代の作品が並んでいます。そして、第二会場は、その時代の女性をテーマとした展示となっています。東京女学館でも今のセーラー服ではなく、袴姿で登校をしていた時代、西洋では、女性はどのような服装や生き方をしていたのか、見ることができます。そして、この会場には2人の女性の画家が登場しますので、そちらも併せてご覧ください。そして、それに関連する絵が実は第一会場にもありますので、気になった方はもう一度第一会場へ。何度でも、好きな順番でゆっくりとご覧くださいね。

 

それから、東京女学館の所蔵作品が見られるギャラリーを通って、第三会場へ。ここには、ゴッホの自画像、そして、生徒さんたちの作品が多く展示されてますので、お見逃しなく!ゴッホの言葉を読んで、もう一度ゴッホの絵を見たくなったら、また第一会場にお戻りくださいね(笑)。

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第三会場に行く前に、今回のために草月流を学んでいる生徒さんが4時間かけて活けてくださった作品がありますので、こちらもぜひご覧ください。

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それから、第一会場、第二会場では、生徒有志のアートコンシェルジュによる解説が行われています。会期中毎日11:00-12:00と14:00-15:00ですが、それ以外の時間も生徒さんがいれば声をかけてみてください。事前に4回、アートコンシェルジュ講習が行われているのですが、生徒さん達は、そこで学んだことだけでなく、自分で調べたこと、感じたことを解説してくれています。お互いに学び合うこともあるそうです。

 

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模写の道具も貸し出していますので、ぜひ。模写をすることで、絵の理解が深まる効果もあるそうです。

 

そして、会期中は毎日、コンサートや発表などが行われています。

ダンス、ピアノ、独唱、ギター部など、これまでの発表もとても素敵でした。

東京女学館の生徒さん達にとって、音楽やダンスも含めた表現活動は、とても身近なものだということを、今回関わらせていただき、感じています。やってみたいことにまっすぐ取り組む生徒さんたちの姿勢と、その表現を、素晴らしいと認められる先生方がいらっしゃる環境、本当に素晴らしいと感じています。

 

全てについては書ききれませんでしたので、ぜひ、会期中に会場にお越しください。

プログラムの詳細は、Facebookページよりご覧いただけます。

https://www.facebook.com/OrsaySchoolMuseum/

 

東京女学館 #オルセー #リマスターアート

 

自分で考え、表現する力を育てる、聖徳学園のSTEAM教育

みなさまこんにちは。清水葉子です。

先日、東京都武蔵野市にある聖徳学園中学、高等学校の情報の授業を見学させていただくとともに、学校改革本部長の品田健先生、CISO(最高情報セキュリティ責任者)の横濱友一先生にお話をうかがいました。

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お話をうかがった品田先生(左)、横濱先生(右)

今回見学させていただいたのは、高校2年生、3学期最初の情報の授業です。3学期は、総合の授業で取り組んでいる途上国支援について各自でポスターにまとめていきます。

授業の冒頭、品田先生より、動画の紹介がありました。隣接しているのにほとんど交流がなく、お互いをあまりよく思っていないインドとパキスタンの人たちの心の距離を、ある「しかけ」を使って近くする、というものでした。

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続いて、個人でポスター制作を進めていきます。使っているのはPagesという、文字や写真をレイアウトできるアプリケーションです。今回はA1サイズのポスターを制作するということで、品田先生より用紙サイズ設定の説明がありましたが、生徒さんたちはPagesは使い慣れているということで、それ以外の部分では質問も少なく、それぞれに作業を進めていきます。

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 情報の授業が行われているのは、STEAM棟1階のLearning Commons。
学校内はもちろん、学校の外からも見通しの良い、オープンな場となっています。

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この空間はグループワークにも適していますが、今回の授業のような個人ワークでも、1人で集中したい生徒と2-3名で相談しながら作業を進めたい生徒が少しずつ椅子を動かしてそれぞれに快適なスペースをつくっているのが、興味深かったです。

 

正解のない学びに取り組み、枠組みを壊す力をつける

横濱先生によると、高校の情報の授業のほとんどは、英語や総合学習など、別の授業で学んだ内容を、情報の授業で様々なツールを使って表現するという形で進められるそうです。
「情報の教科書にも資料が掲載されていて、それを使った分析や、グラフ化はできるのですが、生徒が掲載されている資料に興味を持てないことが多く、また、同じ資料を使うと同じ結果=正解を求める形になってしまいますので、それならば別の資料を使って授業を進めようと、現在のような形にしています(横濱先生)」

物理の授業で学んだ内容をもとに、テスト問題を自分たちでつくってみる、世界各国のあいさつ動画を自分たちでつくってみるなどの課題があるそうですが、成果としてはそれぞれのものができあがるため、生徒さんたちの工夫や表現のしがいがある、ということですね。

課題に個人で取り組むか、グループで取り組むかは、都度、課題に応じて変わるそうです。中学では、人の話の聞き方、話し合いの仕方などについての基本を学び、グループワークを通して、自分の行動が相手に影響を与えることを学んでいくそうです。例えば、相手の話に相槌を打ったり、自分の意見をはっきりと伝えることで、お互いを認め合う雰囲気をつくることも、表現教育において大切なことだそうです。また中学のICT系の授業では、美術の授業とのコラボレーションで映像をつくるといったこともされているそうです。

「中学のICT系の授業では、小学生時代に知らずしらずのうちに身についてしまったかもしれない『正解を探す学び方』から脱却し、正解のない学びに取り組み、色々な枠組みを壊すような力をつけてほしいと思っています。本校内にはそれほどルールはないのに、生徒が勝手にルールを意識してしまうこともあるんです。例えば、Learning Commonsは飲食禁止ではないのに、生徒のほうから『ここは飲食禁止ですよね』と言ってきたりします。そうではなく『先生、ここでお弁当食べてもいいですか?』と聞けるようになってもらいたいんですよね(横濱先生)」

生徒さんが学びの姿勢を変えるには、先生の関わり方も重要になってくるのではないでしょうか。「我々教師は、教えすぎないことを頑張っています。教師側からの説明の量が多いと、どうしても教師は授業をやった感を持ってしまうのですが、生徒が学べたと感じる授業は、教師からの説明は最小限で、生徒が自分で考え、学び進められた授業なんです。この経験を繰り返すことで、教師も教えすぎないほうが良いということを感覚的につかみ、しだいにスタンスを変えられるのではないかと思います(品田先生)」

 

自分の発想を実現するのにプログラミングが役立つかもしれない

授業の中でプログラミング教育は行われているのでしょうか。

「中学と高校、それぞれに学習の機会があります。まず中学では、スフィロという球形のロボットを使った授業があります。ここではビジュアルコーディングではなく、生徒に自分でコードを書いてもらいます。そのほうが英語の勉強にもなりますし、生徒達も心が動くようです。来年度は授業全体も英語で進めようと準備中です(横濱先生)」

「高校では、1年生の3学期に、Swiftという言語を学びます。Swiftを段階的に学べるアプリがあるので、授業の5時間を使い、それぞれが自分の進度で、アダプティブラーニング形式で学び進めます(品田先生)」

聖徳学園でのプログラミング教育の目的は「自分の発想を実現するのにプログラミングが役立つかもしれない」と生徒たちが考えられるようになることだそうです。生徒たちがこれからの人生でやってみたいことが出てきた時、「やりたいけど無理」ではなく「どうしたらやれるだろうか」と考えてほしい。そのために情報の授業では、新しいアイディアで社会に貢献する人や、お互いに技術やアイディアを持ち寄って何かを成し遂げた方たちの紹介をしたり、今回の授業の冒頭のように動画を見る時間をつくったりされています。

「プログラミング学習やプレゼン資料づくりなどの作業を進めていると、つい、技術の習得に集中して視野が狭くなってしまうので、そもそも何のために学んでいるのか、これを学ぶ目的は何かについて思いをはせられるよう、情報提供をし、それについて考える時間を授業内につくっています(品田先生)」

 

生徒の心が動いたり、新しい表現方法を身につける機会が、聖徳学園の6年間の情報、ICT系の授業の中には色々なスタイルで数多く設けられています。「その中で何を面白いと思うかは生徒によって違うので、自分で見つけ出し、それを自分なりの線でつないで、自分のものにしてもらいたいですね(横濱先生)」

 

「それ、面白いね!」は学びを進める魔法の言葉

先生方は生徒さんたちから出るアイディアに対して、まずは「それ、面白いね!」「良いね!」と返すようにされているそうです。「意見を出した時、教師に『それは違うな』とまず否定されると、『正解はなんですか』と自分で考えることを放棄して、教師に頼ってしまいます。一方『それ、面白いね!』と言われると、自分でもっと調べてみよう、と学びを進めることができます(品田先生)」。「それ、面白いね!」は、学習者が中心であり続けるための言葉でもあるのかもしれませんね。

 

「これからの教師は、自分が知らないことを恥ずかしいと思わず、生徒に『それ、面白いね!』『教えてくれてありがとう!』と言えるようになってほしいです。インターネットでなんでも調べることができるようになった今の時代、知識は必要な時に都度集めて表現の材料とするものです。教師も、知識を持っている人がえらいのではないというスタンスであるべきです(横濱先生)」

徳学園は、以前からとにかくやってみる、という姿勢に溢れた学校だそうです。修学旅行の企画やスケジュールの管理なども、長年生徒主体で進めてきたそうです。その雰囲気はもちろん先生方の中にもあります。先生方が新しいことにチャレンジし、その姿勢を生徒に見せる、ということも、生徒さん達によって良い学びの環境になるんだなと、お話を伺って感じました。

 

聖徳学園のSTEAM教育

STEAM教育とは、理系教育をベースとした教科横断、融合型の教育、STEM教育(ScienceTechnologyEngineeringMathematicの頭文字を取ったもの)をベースとし、そこにArt(創造性)を加えた、新しい学びのスタイルです。聖徳学園では、情報、ICT系の授業が教科の横断、融合の中心になっていることが、今回お話をうかがってよくわかりましたし、正解が存在せず、生徒さんが試行錯誤をしながら取り組む課題や、何かを1から作り上げたり、人に伝えるための表現力を身に着ける授業、そして、先生方の生徒さんたちの支援の仕方が、生徒さんたちの創造性を育くんでいることを感じました。このような聖徳学園のSTEAM教育が、今後どのように展開されていくのか、とても楽しみです。

仏教主義学校連盟 弁論大会で感じた、言葉の持つ力

みなさまこんにちは。私学妙案研究所の清水です。
2018 年 11 月 22 日、東京都大田区にある、立正大学付属立正中学校・高等学校で開催された、「仏教主義学校連盟弁論大会」を見学させていただきました。

仏教主義学校連盟弁論大会とは、仏教の精神を建学の理念とする学校の代表者(中学生、高校生)が集まり、弁論を行うというものです。毎年この時期に行われ、今回で 35 回目を迎えます。つまり、35 年の歴史がある大会です。

今回は、13 校 25 名の生徒さんたちが弁論を行いました。時間は 1 人5分、テーマはそれぞれが設定します。プロジェクター、配布資料の使用は一切なく、声だけでの発表、審査が行われました。

このような雰囲気で会が進行します。司会は、立正大学付属立正中学校・高等学校の放送部の生徒さん達が担当されました。

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会場の様子

参加 13 校は、以下です。(発表順)
淑徳巣鴨高等学校/駒込中学校/鶴見大学附属高等学校/芝高等学校/横浜清風高等学校/千代田女学園中学校/立正大学付属立正中学校・高等学校/聖徳学園中学校・高等学校/東京立正中学校・高等学校/宝仙学園中学校・高等学校/駒沢学園女子中学校・高等学校/世田谷学園高等学校/淑徳高等学校

 

扱われたテーマは、命、心、生き方に関することが多かったです。
発表のスタイルとしては、

・弁論大会という機会を用い、広く伝えたいことを話す
・興味があったことを調べ、発見やそれについての意見を共有する
・自身の将来の夢や生き方について話す

の3つに分類されるように感じました。

今回1位を獲得した立正大学付属立正中学校3年生の田中里奈さんは、「保護犬たちの目に燈し火を」というタイトルで弁論をおこないました。自身が保護犬の譲渡会に行き、保護犬を譲り受けた経験から、保護権について調べ始め、保護犬の殺処分を減らすには、現状を伝え、より多くの人たちに保護犬を引き取ろうと思ってもらうことが大切だという結論に達し、この弁論大会で訴えることにしたそうです。その弁論はとても力強いもので、一言ひとことが、聴衆者の胸に響きました。

 

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立正大学付属立正中学校の田中里奈さん

発見や疑問を中心とした弁論には、日本で使われる生き物の分類「在来種」と「外来種」とはいったい何か、を入り口とし、生き物の命について考えるという弁論や、タバコをやめられない人にどういう情報を提供すると効果的かについての弁論がありました。

また、生き方については、小学生の時にお世話になったバスケットボールのコーチが、子ども達に嫌われてでも子ども達が成長できる環境を提供するという姿勢から学んだことについての弁論や、親友を病気で亡くし、それをきっかけに自分の将来の目標を見つけた、という弁論などがありました。

命や心といったテーマは、大人になるとその難しさゆえについ目を背けたり、明言を避ける傾向にあります。田中さんを含め、今回登壇された生徒さんたちは、自分の気持ちにまっすぐ向き合い、それを伝えたいという姿勢で弁論をされていました。弁論大会に向けてだけでなく、毎日の生活でこういったテーマについて考えていなければ、なかなか今回見せていただいたような論にはならないと思います。仏教の精神を建学の理念とする学校の弁論大会だからこそ、こういったテーマについて考え、伝えられることがあるのではないかと感じました。

また、投影資料無しでどのくらい伝わるのかと、開始前は少し不安に思っていましたが、声のトーンを使い分けながら表現豊かに弁論される生徒さん達を見て、言葉だけでもたくさんのことが伝わる、そして、言葉だけだからこそ、伝わりやすいこともあるということを学びました。

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終了時刻にはすっかり暗くなっていましたが、とても良いものを見せていただいたので、心は明るかったです。

見学をさせていただき、ありがとうございました。

学びの中心! 富士見中学校・高等学校のラーニングハブ

みなさまこんにちは。私学妙案研究所の清水です。

先日、東京都練馬区にある、富士見中学校・高等学校にうかがいました。

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富士見中学校・高等学校は、2020年の創立80周年に向け、中学・高校校舎の建替え、教育環境の整備が行われています。その一環として、図書館もその使い方も含めて再検討をされ、今年(2018年)の9月に「Learning Hub(ラーニングハブ)」としてリニューアルオープンしました。校舎全体もとても明るい雰囲気ですが、こちらの図書館も、開放的で、カフェのようです。

 

ラーニングハブを見学させていただくとともに、空間構成、図書配置、家具の選定など、全体に関わられた司書教諭の宗愛子先生にお話を伺いました。

 

まずは空間構成について、館内に掲示されていたマップを使って解説させていただきます。

ラーニングハブは、2階から3階の二層ににわたり、階段でつながっています。

どちらにも書架と、読書・学習スペースがありますが、置かれている家具が少し異なります。

 

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3階の入り口から見たところです。

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カフェのような雰囲気ですね。手前の机と奥の机で高さが異なっていて、自分に合った場所を見つけられそうです。重い雰囲気にならないよう、床の色の明るさにもこだわりがあるそうです。

書架の手前には、ソファーとカウンターを組み合わせた家具があります。

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そして、天井にはプロジェクターがセットされていて、スクリーンを引き出すと、ミニレクチャーやプレゼンテーションができるようになっています。

このソファの角度が、お互いリラックスして座れるそうです。

 

放課後、このスペースで自習をする生徒さんたちもいるそうですが、話してはいけないというルールはなく、生徒さんたちは思い思いの使いかたをしているそうです。校舎内には他に自習室があるため、黙って集中したい生徒さんはそちらで勉強するそうですよ。

 

2階には、可動式のテーブルと椅子があり、1クラス分の授業ができます。

見学させていただいた際は、クラブ活動でのグループワークが行われていました。テーブルごとにホワイトボードがあるのは、使い勝手がよさそうですね。

机と椅子を完全に壁側に寄せて使うこともできます。先日は、国語の授業で竹取物語の劇が行われたそうです。

 

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季節の本のコーナー、アートのコーナ、本の福袋などがあり、生徒さんたちが本に興味を持つきっかけがたくさん準備されていると感じました。

 

ラーニングハブは、放課後だけでなく、授業中もよく使われます。

富士見中学校の探究プログラムは、「課題設定」、「情報の収集」、「整理・分析」「まとめ・表現」の力を、3年間でつけていきます。調べたり、文章を書いたりする機会が多くあり、宗先生がサポート、アドバイスをされるそうです。たとえば資料を読みこむことを目的とするか、調べる力をつけることを目的とするかで、宗先生の準備のされ方も変わってくるそうです。中1、中2の生徒さんたちが探究の結果をまとめた冊子を見せていただいたのですが、様々な資料を参照し、わかりやすくまとめられていることに驚きました。

 

その他の教科についても、図書館を活用するシーンは多くあり、教科の先生と、宗先生が相談をしながら授業をつくられるそうです。まさに図書館 、そして宗先生が学びの中心、ラーニングハブですね!

 

図書館とはいえ、本が主役なのではなく、生徒が、そして生徒の学びが主役であるべきなんだな、とお話を伺いながら、感じました。

見学をさせていただき、ありがとうございました。

 

生徒がアーティストの作品を紹介する、富士見丘中学校・武蔵野美術大学「Feeling展」

 

みなさまこんにちは。私学妙案研究所の清水です。先日(2018年11月23日)、東京都渋谷区にある富士見丘中学校で行われた、武蔵野美術大学と共同開催の「Feeling展」を見学させていただきました。富士見丘中学校・高等学校の中学1年生~3年生と、高校2年生で行われている探究学習「自主研究5×2」の一環で、中学2年生の生徒さんたちが、武蔵野美術大学の学生およびプロのアーティストの作品と、キュレーションについて半年かけて学び、来場者に作品の解説を行うというアートイベントです。

 

 

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6回の授業で、武蔵野美術大学を訪問し、アートについて学び、アートの制作現場を見たり、美術館の学芸員の方に講義を受けたりしながらアートの知識を深めていきます。また、数名ずつのグループに分かれ、解説を担当するアーティストとのコミュニケーションを行い、作品についての情報を集めます。また、展示会場のレイアウトやおもてなしの方法の検討も行います。

 

全体のキュレーション、アーティストの選定は、武蔵野美術大学 芸術文化学科教授の杉浦幸子先生がつとめられます。

 

当日の会場の様子です。

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日本画、写真、油絵など色々な作品を、それぞれ担当の生徒さんたちが解説してくれました。解説を聞くことで、作品自体にも発見があるのですが、特に面白かったのは、その作品にまつわるエピソードです。例えば、あるアーティストが動物の絵を描くために、何度も特定の動物園に見にいくこと、あるアーティストが絵をあえて未完成にしておく理由など、アーティストの人物像が見えてくるようなお話を色々とうかがうことができました。これは生徒さん達がアーティスト本人から直接話を聞いているからこそ、親近感を持って語れるのだと感じました。アーティストの方達も、生徒さんたちの素朴な疑問や感想が、刺激になるということでした。

 

作品制作に使われている画材の展示コーナーや、映像コーナーもあります。

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生徒さんたちによるお茶のサービスや、感想の展示コーナーも素敵でした。

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生徒さん達を通してアートを身近に感じることができる、とても楽しいイベントでした。見学させていただき、ありがとうございました。

 

【Meet up! Teachers】 中村中学校・高等学校 校長 永井哲明先生からのメッセージ

 

私学妙案研究所は、普段なかなか会うことのできない魅力的な私学の先生及び教育関係者の私学の魅力についてや教育論を、ご依頼を受けたイベントや講演会、メディアを通じて皆さまにお届けするために、11月1日(木)より、業界初となる私学の先生及び教育関係者のプロダクション『Meet up! Teachers』をオープンしました。

 

現在5名の私学の先生方に登録をしていただいております。それぞれに専門領域をお持ちの先生方なので、講演会、取材などにお声掛けをいただけますと、幸いです。

 

さて、本日は、その中のお一人、中村中学校・高等学校の校長、永井 哲明先生のメッセージを掲載いたします。

 

中村中学校・高等学校  校長 永井哲明先生からのメッセージ>

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本校では、100年ライフを見据えたキャリアデザインの授業を行っています。

私は2016年4月より、本校の校長を務めております。中村学園に奉職して35年目になります。担当教科は外国語ですが、キャリアコンサルタント(国家資格)、上級教育カウンセラー(日本教育カウンセラー協会認定)、キャリア・カウンセラー(日本 キャリア教育学会認定)でもあります。大学進学だけを目的とするのではなく、その先の人生も考えてもらいたいという願いをこめて、本校の進路指導部を「キャリアセンター」という名称に変え、キャリアデザインのカリキュラムを検討してきました。

 

キャリアデザインの授業は、2002年より行っています。全学年で年間20~30コマですから、大体週1時間はあるという形です。中学ではまず、自身のいる社会について考えます。自分のことも相手のことも大切に思い、コミュニケーションを取る練習を行います。キャリアは将来のためというイメージがあるかもしれませんが、今の積み重ねがキャリアとなっていくのです。

 

学年があがるにつれ、視野を広げていきます。自分の営みがどのように社会に貢献するか、他者と協力して、どのような「協奏社会」を創っていくか、を考える中で、自身の将来、進路についても自然と考えるようになります。将来については、中学の3年間では「夢」高校の3年間では「希望」を持つようにと生徒たちには話しています。憧れに近い夢を、実現するための希望に変えていきます。

 

生徒たちが進路を考える際、ひとつの目標として、30歳からの自分を想定してもらいます。30歳という年齢は、女性にとってのライフイベント(結婚、出産、育児、自身の昇進、夫の転勤、親の看護・介護など)が起こり始める時期です。また、人生において探し求めていたものを実現する段階とも言われています。中高生のときに将来の”ライフとワークの融合”について考えることで、進路が見えてきます。

 

100年ライフを想定すると、大人も当事者になります

多くの人が100歳まで生きると言われている時代ですから、もちろんキャリアも30歳を超えて続いていきます。中高生には少しイメージしにくいかもしれませんので、それを伝えるためには、大人が人生の当事者となり、ともに歩んでいくことが大切だと思います。我々教員も日々新しいことを勉強しています。例えば理事長の小林は、68歳で京都大学文学部の聴講生となり、1年間の課程を修了し、今は奈良大学で学んでいます。私も教員を続けながら、キャリアコンサルタントの資格を取ったり、大学院に通って2年間研究をしました。

 

保護者会では「保護者のみなさまの夢はなんですか?」と問いかけるようにしています。大人が夢に向かってがんばる姿を見ると、生徒たちもうれしく思うはずですし、自身の将来についても明るい未来を見ることができるのではないでしょうか。先日、生徒のお母様から、保護者会での問いかけをきっかけにして、あるチャレンジを決意されたというお話をうかがい、私も大変うれしく思っております。

 

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永井先生は、中高生だけでなく、大人のキャリア相談にも対応されています。

参加者と直接対話ができる、双方向型の講座での登壇に対応してくださいますので、お子様をお持ちの保護者の方が、ご本人のキャリアについて考える場など、いかがでしょうか。詳細やお問い合わせはホームページからご確認くださいね。

 

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最先端の技術を使った東京電機大学中高のコンピュータグラフィックス教室

みなさまこんにちは。私学妙案研究所の清水です。

先日、東京電機大学中学校・高等学校(東京都小金井市)で行われた小学生向けの講座

「コンピュータグラフィックス教室」を見学させていただきました。講師は、東京電機大学工学部 情報通信工学科 教授 長谷川誠先生と、画像処理研究室所属の高橋尚紀さん(大学4年生)です。画像処理研究室では、映像中の文字情報を文書データとして認識する方法や、指紋認証や顔認証、三次元データの作成、活用についてなどの研究が行われています。昨年度、東京電機大学中学校・高等学校で行われたオルセースクールミュージアムでも、ルノワールの「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」の3D画像を展示していただき、話題となりました。

 

今回の講座も定員20名の募集でしたが、申し込みサイトがオープンしてすぐ、申し込みが殺到し、定員に達してしまった、大人気講座です。

 

今回作成するのは、こちら。石膏像の三次元CGです。

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写真だと少しわかりにくいですが、画面上でマウスを動かすことで、なんと360度の方向から石膏像を見ることができます。

 

このCGのすごいところは、特別なカメラを使わず、iPadスマートフォンで撮影した動画を使って作られているところです。

 

「通常の3次元専用カメラはレーザーが被写体にあたり、跳ね返ってくる原理を使って撮影をしています。高級車などには、3次元カメラがついていて、走行中の風景を3次元で撮影しながら走っています。例えば人が飛び出してきたとしても、その人までの距離を測ることができるので、衝突事故を防ぐことができたり、他の車との距離を確認したりしながら、自動駐車をすることを可能にします。ただ、そのカメラの価格がとても高いため、なかなか一般の自動車には使えませんし、その他の生活シーンにも導入しづらいのが現状です。

 

今回の三次元映像撮影は、三角測量の原理を応用しています。スマートフォンタブレットで、物体と等距離を保ちながら様々な角度から撮影することで、カメラと物体の距離を推測し、その物体の凹凸(すなわちカメラとの距離)もわかるのです」と長谷川先生から説明がありました。

 

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現在多くの人がスマートフォンを持っています。それを使って、新しい設備を購入することなく三次元映像の撮影が実現できるというのは、本当にすごいことですね!まだこれは研究段階ですが、近い将来、実用化されるそうです。

 

「例えば何かが欲しい!となった時、スマートフォンで撮影することで、3次元の形が手に入り、それを3Dプリンタでプリントすることでつくれてしまう、という時代がすぐにやってくると思います。3Dプリンタが一家に一台置かれるようになる時代もすぐにやってきますし、その前にまずコンビニエンスストアに3Dプリンタが導入されるでしょうね。今日これからそれを体験してもらって、こんなことができるんだ!と感じながら、じゃあどんな風に使えるんだろう、と考えながら作業を進めてみてください(長谷川先生)」

 

最先端の技術を使うことで、これからやってくる時代を先に体験できる!子ども達も目を輝かせています。

 

さて、いよいよ体験。高橋さんが詳細な手順を説明してくださいます。

今回の体験は、

・物体の動画撮影

・コンピュータソフトウェア(DVDVideoSoft Free Studio)を用いた動画からの静止画抽出(100枚)

・コンピュータソフトウェア(Agisoft PhotoScan Standard)を用いた三次元CG製作

という手順で行います。

 

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まず、隣室に移動し、被写体の撮影を行います。

 

■物体の動画撮影

まず隣室に移動し、物体の移動撮影を行います。2つの被写体を、iPadを使って撮影します。できるだけ水平を保ちながら、右から左へゆっくり動きます。

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■動画の取り込み

次に、コンピュータ室に戻り、動画をパソコンに取り込み、保存します。

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■静止画抽出

DVDVideoSoft Free Studioの機能を使い、動画を100の画像に分割していきます。

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■三次元

いよいよ三次元CGへの変換です。Agisoft PhotoScan Standardの機能を使うと、取り込んだ写真から三次元CGをつくってくれるので、範囲を再指定するなどの調整を行い、三次元CGを完成させます。

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骨格標本でCGを作ったお子さんもいました。

 

3-4名で1台のコンピュータを使い、わからないところは中高のコンピュータ部の生徒さん達に聞きながら1人ずつCGを作成したのですが、それほどサポートを必要とせず、自分で進められるお子さんが多かったです。興味がある分野だけあり、理解が早いのかもしれませんね。CGが出来上がると、みなさんとてもうれしそうでした。

 

「こういった取り組みをきっかけとして、工学に興味がある人を増やしたいですね」と、長谷川先生。工学を学び、研究を進めていくには、知識を身に付けるだけでなく、今日のように実際にやってみることがとても大切だそうです。手を動かしてみて、うまくいかないという悔しい体験をし、もう一度やってみる、という試行錯誤が、エンジニアを成長させるそうです。参加者のみなさんはとても熱心に取り組んでいたので、これをきっかけに工学の道に進む方もいるかもしれませんね!楽しみです。

 

見学をさせていただき、ありがとうございました。