突き抜けた個性で大学合格!?個性が重要視される大学入試

皆さんは大学入試と聞くとやはりペーパーテストを一本受けるというイメージでしょうか?

大学入試では今、激変が起こっています。今までの大学入試は、ほとんどの大学でペーパーテスト一本での入試が行われていました。試験問題自体の特色はあっても、基本的には「どれだけきちんと学校の勉強をしてきたか」だけで評価が決まっていました。

 

しかし今、一般選抜(従来の一般入試)以外に、総合型選抜(従来のAO入試・推薦入試)、学校推薦型選抜(従来の学校推薦入試・指定校推薦入試)の割合が急激に増加しています。これらの入試では、学校の勉強「以外」も評価の対象になります。学力以外の要素、その人の個性が評価される時代になっているのです。

 

文部科学省公表した「大学入学者選抜の実態の把握および分析等に関する調査研究」(2023年2月)によると、大学入試全体での一般入試の割合は49.7%に対し、学校推薦型選抜31.0%、総合型選抜19.3%で、学力で大学合格を目指す一般入試よりも推薦型・総合型をあわせた割合の方が多くなっていることがわかっています。

 

地図が好きな人を募集する大学入試

しかしこれらの入試形態が主流になっていくと、「個性」の部分、つまりは「その人の突き抜けた部分」が評価されていきます。例えば、法政大学の文学部地理学科では、自己推薦入学試験要項の最初に、このような文言が書かれています。

 

【法政大学 2023年度 文学部地理学科 自己推薦入学試験制度について】

文学部地理学科では、2004 年度より自己推薦入試を実施しています。この入試制度は、従来実施している一般入試・大学入学共通テスト利用入試とは別の選考 方法・基準により入学者を募集するものです。地図を眺めていると時間を忘れてしまう人、 三度のメシより地理が大好きだという人、そんな人の応募を歓迎します。選考方法は、第一次選考として書類審査(調査書、志望理由書)を行い、その合格者に 対して第二次選考(筆記試験「地理B」、面接試験)を行います。

 

なんと、「地図が好き」「地理が好き」という人を募集する、というのが大きく表明されているのです。このように、「1つの分野について突き抜けた個性を持っている人かどうか」が評価されるのが、選抜入試の特徴だと言えるでしょう。学校の成績がいいか悪いかではなく、突き抜けた個性があるかどうかが評価の対象になっています。

 

これは法政大学に限ったことでもなく、実は東京大学も、2016年度入試から学校推薦型選抜入試を行っています。

面白いのは、私たちが持っている東大推薦生たちのイメージと、実際の彼ら彼女らとのギャップです。「数学オリンピックで入選した」とか「コンテストで優勝した」とか、そういう実績がある人ばかりが評価されると考える人は多いと思いますが、「こんな実績があります」という部分を強調して語っている人は、むしろ不合格になっている割合が多いのだそうです。では、どういうポイントが評価されているのかというと、やはり「個性」です。

 

「オールジェンダートイレの研究」というほとんどの人が研究しないようなニッチな分野で大きな成果を挙げた人や、「カニの研究だったら誰にも負けないほど研究を行った」と語る人、「生徒会活動に関してグランプリを取るほど頑張った」という人など、その多くが「突き抜けた個性を持っている人」だそうです。

 

やはりそういう個性的な人の方が積極的に評価される可能性が高いのだと考えられます。これからも新しい入試形式から目が離せませんね。(岡田)