オルセースクールミュージアム in 東京女学館 開催中です!

みなさまこんにちは。私学妙案研究所の清水です。2019年3月24日(日)~31日(日)の8日間、東京女学館中学校・高等学校(東京都渋谷区広尾)にて、「オルセースクールミュージアム in 東京女学館」を開催中です。今日でちょうど前半が終了したところです。来場された方から質問を受けたり、運営に関わっていて私も気が付いた事がありますので、あらためてご紹介記事を書きたいと思います。

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オルセースクールミュージアムとは、学校を一定期間ミュージアムに変身させるプロジェクトです。校内に作品を展示し、先生や生徒、保護者、卒業生に鑑賞してもらうとともに、この期間だけは広く一般のかたにも開放し、楽しんでいただきます。これまでも関東、関西で合計8校で開催してまいりました。

 

スクールミュージアムの展示の中心となりますのは、パリにあるオルセー美術館所蔵の印象派を中心とした絵画の「リマスターアート」です。

 

リマスターアートとは、言葉通りRe-Master(原作を再現する)という意味で、入力から出力までを統括するコンピュータ画像運用技術です。この技術は、スクールミュージアムの展示にご協力をいただいているアルステクネ社、久保田光巌氏の20年間の試行錯誤によって生まれました。独自の技術で絵画を様々な角度から撮影、外線やX線も使い、何重にも塗り重ねられた絵の具の奥も分析。その後細かい修正作業で、凹凸を再現し、学術的な検証も交え作家が意図したであろう環境光を再現し、原画と比較しながら、何度も色校正を行います。そういったプロセスを経て、原画を見ているようなクオリティの復原画が出来上がります。

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オルセー美術館での撮影風景

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リマスターアートのクオリティについては、ぜひ会場でご覧いただきたいのですが、上の写真のように、ルーペやペンライトを使っても、わからないくらいです!そして、これがもうひとつのリマスターアートの楽しみ方なのですが、原画と違い光に強いため、ライトをあててしっかり見ることができます。ペンライトもルーペも会場で貸し出していますので、ぜひお使いください。

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そして、さきほどのオルセーミュージアムでの撮影シーンと見比べていただきたいのですが、スクールミュージアムでは、壁面も、再現しています。絵を飾るための壁を立てているのです。今回の開催でも「オルセーに行ったことがあるけどここでまた楽しめてよかった」と言って下さる方も何名かいらっしゃいました。

 

そして今回東京女学館で開催となった経緯については、以前こちらのブログでも館長福原先生のインタビューを紹介させていただいたのですが、

https://s-goodidea.hatenablog.com/?page=1541478608

今年度が東京女学館創立の130周年にあたり、その時代が印象派の絵画が描かれた時代に重なるからです。特に第一会場にあるゴッホの「ローヌ川の星降る夜」は、創立年と同じ1888年に描かれたといわれています。

第一会場は、印象派の少し前の時代から、印象派印象派後期まで、その時代の作品が並んでいます。そして、第二会場は、その時代の女性をテーマとした展示となっています。東京女学館でも今のセーラー服ではなく、袴姿で登校をしていた時代、西洋では、女性はどのような服装や生き方をしていたのか、見ることができます。そして、この会場には2人の女性の画家が登場しますので、そちらも併せてご覧ください。そして、それに関連する絵が実は第一会場にもありますので、気になった方はもう一度第一会場へ。何度でも、好きな順番でゆっくりとご覧くださいね。

 

それから、東京女学館の所蔵作品が見られるギャラリーを通って、第三会場へ。ここには、ゴッホの自画像、そして、生徒さんたちの作品が多く展示されてますので、お見逃しなく!ゴッホの言葉を読んで、もう一度ゴッホの絵を見たくなったら、また第一会場にお戻りくださいね(笑)。

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第三会場に行く前に、今回のために草月流を学んでいる生徒さんが4時間かけて活けてくださった作品がありますので、こちらもぜひご覧ください。

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それから、第一会場、第二会場では、生徒有志のアートコンシェルジュによる解説が行われています。会期中毎日11:00-12:00と14:00-15:00ですが、それ以外の時間も生徒さんがいれば声をかけてみてください。事前に4回、アートコンシェルジュ講習が行われているのですが、生徒さん達は、そこで学んだことだけでなく、自分で調べたこと、感じたことを解説してくれています。お互いに学び合うこともあるそうです。

 

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模写の道具も貸し出していますので、ぜひ。模写をすることで、絵の理解が深まる効果もあるそうです。

 

そして、会期中は毎日、コンサートや発表などが行われています。

ダンス、ピアノ、独唱、ギター部など、これまでの発表もとても素敵でした。

東京女学館の生徒さん達にとって、音楽やダンスも含めた表現活動は、とても身近なものだということを、今回関わらせていただき、感じています。やってみたいことにまっすぐ取り組む生徒さんたちの姿勢と、その表現を、素晴らしいと認められる先生方がいらっしゃる環境、本当に素晴らしいと感じています。

 

全てについては書ききれませんでしたので、ぜひ、会期中に会場にお越しください。

プログラムの詳細は、Facebookページよりご覧いただけます。

https://www.facebook.com/OrsaySchoolMuseum/

 

東京女学館 #オルセー #リマスターアート