自由研究の歴史

私たち私学妙案研究所が運営しているイベント「自由研究フェスタ」。夏休み終盤に、終わっていないと、親子ともに焦るのが「自由研究」ですね。毎年「悩みの種」になるこの自由研究、なぜ夏休みの宿題の定番になったのでしょうか。自由研究の歴史についてのお話です。

 

1947年に登場!?「教科」として授業もあった自由研究!

 

「自由研究」という言葉を調べてみると、実は1947年にできた戦後初めての学習指導要領に登場しています。学習指導要領とは教育の内容の基準を示すもので、自由研究は「教科」と記載されていました。この指導要領では「修身・公民・地理・歴史」が「社会科」になったほか、「家庭科」が新たに加えられるなど、戦後の教育の方向性が示されました。その中で「児童の個性の赴くところに従って、それを伸ばしていくことに、この時間を用いて行きたい」との目的で、「自由研究」という教科が設けられたのです。

 

内容については「さまざまなものが考えられる」と、学校現場の裁量に任されていますが、「児童が学年の区別を去って、同好のものが集まって、教師の指導とともに、上級生の指導もなされ、一緒になってその学習を進める組織、すなわちクラブ組織をとって、この活動のために、自由研究の時間を使っていくことも望ましいことである」とのことで、音楽や書道、手芸などのクラブ活動でも良いとされていました。

ただ、実際には各学校でどんな授業が行われていたかを記録した資料などは文部科学省でも確認はできておらず、4年後に改訂された学習指導要領では、教科としての自由研究はなくなっていたようです。

 

しかしその後も、1960年から開催されている小中学生対象の「自然科学観察コンクール(シゼコン)」をはじめとした自治体や全国規模で行われるコンクールが徐々に増え、各学校も校内の展覧会に力を入れるようになっていき、夏休みの宿題の定番として、全員に提出を求める学校が増えて行ったのではないかと言われています。

 

今回は夏休みの自由研究の歴史についてのお話でした。

このお話も「あれ?自由研究っていつから夏休みの宿題になったのだろう?」という疑問から調べたお話でした。自由研究も同じで、子ども自身の興味や関心、不思議に思うことを追究し、世界を広げていくことが目的だと思いますので、子どもたちのちょっとした疑問も大切にしていきたいですね!(岡田)

 

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