神奈川県私立中学高等学校協会 創立70周年記念国際交流事業レポート ー鎌倉散策:後編

神奈川県私立中学高等学校協会(私立中高協会)は、今年度創立70周年を迎えられ、その記念事業の1つとして、国際交流事業が行われました。今回は鎌倉散策の後編をお伝えいたします。

 前編はこちら:

神奈川県私立中学高等学校協会 創立70周年記念国際交流事業レポート ー鎌倉散策:前編 - 私学妙案研究所News

 

午後は、ダニエル・コインさんのグループに同行させていただきました。

午前中は宝徳寺と杉本寺に行かれたそうで、ダニエルさんは初めて見た竹林にとても感動されたそうです。午後はあまり時間がなかったのですが、小町通りを散策し、午後はとても暑かったので氷を食べたり、買い物を楽しみました。

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言語学と日本語を専攻しているダニエルさん。日本の文化にとても興味を持っていて、ずっと日本に来てみたかったそうです。日本車が好きで、その中でも特に好きな車種を偶然目にすることができ、興奮する一幕も。道中では、ご自身が乗られている車や将来欲しい車のこと、好きな音楽のこと、学生生活のことなどが話題となり、生徒さん達はアメリカの大学生の生活について知ることができたようでした。また、ダニエルさんは2校のインターンを体験してみて、日本のほうが学校にいる時間が長く、クラブ活動なども活発なので、日本の高校生のほうが忙しいと感じたそうです。また、学校の先生方がとても素晴らしく、インターンとして一緒に働けたことがとても楽しかったと話してくださいました。

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ダニエルさんに同行した生徒さん達は、とても英語が堪能。写真左の坪祢さん、右端の佐山さんは、それぞれ1年間、3か月の留学経験があり、帰国後、英語で話す機会があまりないと感じたため、今回のプロジェクトに応募されたそうです。真ん中の伊藤さんは、先ほどご紹介したノートをつくられた生徒さんで、当日のルート変更に、もっと他の場所も準備しておけばよかった、と言いつつ、道中しっかりと英語でコミュニケーションをとっていました。また、生徒さんどうしでも英語でコミュニケーションを取られていたのが印象的でした。

 

鎌倉散策の合間に、順次、甲冑体験、ゆかた体験が行われました。甲冑は兜も合わせると合計20キロという、かなり本格的なものです。ゆかたを希望したインターン生には、着付けとメイクがおこなわれ、学校に隣接する建長寺で、プロカメラマンによる撮影がおこなわれました。

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甲冑体験準備中のトーマス・リットマンさん(左)とノア・アレンさん(右)。

トーマスさんの専攻は日本語とコンピュータ・サイエンスで、ずっと日本に留学したいと思っていたことが、今回のインターンにつながったそうです。実際に学校で教えてみて、彼らと年齢も近いこともあって生徒達の考えがよくわかったとともに、彼らの英語のスキルが予想よりも高かったことに驚いたそうです。また、将来は先生になりたいと思っていて、世界がテクノロジーでつながる時代だからこそ、色々な言語がわかる人材が必要になるのではないか、とお考えだそうです。

 

ノアさんの専攻は日本語、言語学で、日本語は3年間勉強されています。今回インターンに参加されたきっかけは、日本語の環境で過ごしてみたかったということでした。鎌倉散策では、生徒と一緒に回ったことで、神社や歴史のこと、日本の習慣や作法などについてよくわかり楽しかったし、日本文化についてもよりよくわかったとのことでした。生徒さん達は、ノアさんの案内に加え、チップの仕組みなどのアメリカ文化や、英語表現について教えてもらったそうです。

 

↓こちらがトーマスさんの甲冑姿。きまってますね!

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青を基調とした浴衣がよくお似合いの、ミシェル・リンさん。大学では化学と日本語を学ばれています。インターンで行った2校とも、生徒が生き生きしていたのが印象に残っているそうです。また、先生が素晴らしかったので、一緒に働けたのがとても良い経験になったと話してくださいました。日本で印象に残っているのは、日本の人たちのホスピタリティだそうです。ホストファミリーにもとてもよくしてもらい、これからも交流を続けたいとのことでした。また、今回のインターンをきっかけに、将来先生になるという可能性についても考えるようになったそうです。

 

各グループが学校に戻り、最後に全員で集合写真を撮って、鎌倉散策は終了となりました。インターン生のみなさんと神奈川の私学の生徒さん達は、1日でとてもうちとけたようで、時間ぎりぎりまで別れを惜しんでいました。

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今回記念事業に参加されたインターン生の10名は、約50名の希望者の中から、エッセイと面接で選ばれた方達で、専攻の際、日本語を専攻していることに加え、インターンとして日本の中高生にどう貢献したいか、という視点を持っているかが重視されたそうです。実際に散策に同行させていただき、どのインターン生の方もとても話しやすく、そして生徒さんを気づかっていらっしゃるなあと感じていたのですが、その選考基準を聞いてとても納得しました。

 

また、参加された生徒さんたちも、英語を話す機会が欲しい、以前国際交流イベントに参加して思うように話せなかったので、再チャレンジしたかった、といった方が多く、積極的に会話に参加されているのが印象的でした。

 

鎌倉散策の翌日、インターンのみなさんは羽田空港から無事に帰国されました。インターンのみなさんにとっても、私学の生徒さんたちにとっても、とても充実した18日間だったようです。引率のフーゲンブーム智子先生からは、今度はぜひメリーランド州にというお話がありましたので、今後の展開も楽しみですね。

 

取材をさせていただき、ありがとうございました。