講演会「私学の魅力」(in 神奈川私立中学相談会)

2018429日に開催された、神奈川私立中学相談会において、弊社代表小嶋が「私学の魅力」というタイトルで講演を行いました。その内容をご紹介いたします。 

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■これからの世の中で必要とされる力

これまでの世の中では正確に処理する能力を持ち、正解は一つで、その正解に早くたどり着ける「ジグソーパズル型」の人材が必要とされてきました。中学入試の問題も、正解を選択肢の中から選びとるタイプの問題が多かった時代です。

 

しかし今、社会で求められるのは、一つの問題に対して色々な解答や考え方ができる人ではないでしょうか。入試問題も、考え方を問うような問題が多くなってきています。

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時代が変わっても親の願いは「将来社会で通用する力をつけて自立してほしい」ということです。そして、今起こっている時代の変化への対応が早いのは、私学だと思います。

公立ももちろん新しい取り組みを始めていますが、私学とは変化のスピードが違います。それが私学の学費、年間約100万円の対価だと思っています。

 

■小学生の時間の使い方 

 ここで、1年間の時間の使い方を考えてみたいと思います。1日8時間の睡眠は、1年間に置き換えると、4か月間になります。では残り8か月はどのように使われているのでしょうか。もしゲーム、スマホやテレビを1日2時間すると約1か月間、公立小学校で国語と算数を各45分、週5日間、10か月間学ぶと、12.5日です。テレビ、ゲーム、スマホは悪いものだとは思いませんが、1日2時間だと、国語、算数よりも影響力が大きいということを、保護者のみなさまの頭の片隅に置いた上で、子どもたちに与える環境について考えていただければ幸いです。 

 

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■個別対応で子どもは自立するか

では子どもの自立のためにどのような環境を用意すべきでしょうか。私は、親の満足度と子どもの成長はイコールだとは思いません。最近の傾向として、塾や習い事において個別指導を求める保護者の方が増えていると感じます。集団指導よりも「うちの子1人だけを見てくれる」個別指導が安心できるという思いはわかります。しかしこの環境が本当に子どもの自立を促すでしょうか。

 

1年生から入れる小学生対象の野球教室に、すぐに入らず、1年生から3年生まで個別指導でピッチングとバッティングを見てもらった上で、4年生から入ったお子さんがいるそうです。その子はそれまで個別指導でじっくり鍛えられたので、技術力は高い。ただし、野球というスポーツでは、コミュニケーション能力も求められます。野球教室は、チームメイトとのかかわり、コーチ、監督とのかかわりも学ぶ場所です。また、チームメイトと自分を比較して、技術や練習の仕方の違いに気づき、自分の行動を変えてみることなども、そこで得られる自立的な学びだと思います。

 

「今の若い人たちは、能力は高いがコミュニケーション能力が低い」という話をよく聞きます。では誰がそういう風に育てたのか?今の傾向に照らし合わせると、もしかすると個別対応を望む親ではないのかな、と思うのです。子どもが本当に自立できるのはどのような環境なのか、あらためて考えてみてはいかがでしょうか。

 

■学校をどのような視点で選ぶか

私学について日能研発行の「私学のヒミツ」私学妙案研究所発行の「教育とお金」を用いて説明いたします。学校選択、合格の目安として、日能研でも各校に偏差値をつけております。この偏差値は入試の状況により毎年変わります。その数値がこの40年で大きく上がった学校もあります。偏差値50というと、真ん中ととらえがちですが、中学受験をする生徒の中での偏差値なので、学校が平均以下というわけではありません。偏差値50以下でも難関大学への現役合格率が高い学校も数多くあります。また、私学の多くは大学受験に向けての講習が充実しています。公立中高に通っても塾の費用が必要になりますから、そのような視点でも金額の比較をしてみてください。

 

では私学の中で、どのような学校を選ぶべきか。入学後6年間通学するのはお子さんですので、お子さんと一緒に学校に行き、色々と聞いてみるのがよいと思います。ひとつの観点として、お子さんの6年間の成長ストーリーがイメージとして明確に思いうかべられる学校を選んでください。子どもたちが、この学校だったら僕は勉強がしたくなる、友達と遊びたくなる、部活動をがんばれる、それがお子さんにとって良い学校だと思います。

 

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たくさんの方にご参加いただきました。ありがとうございました。