家庭でもできる小学生のプログラミング学習ーその1 プログラミング学習の意味

みなさまこんにちは。私学妙案研究所の清水です。

2020年から小学校でプログラミング教育が必修化されます。プログラミングが学べる小学生向けの講座や教室も増えてきて、お子様の参加を検討されている保護者の方も多いのではないでしょうか。教室に通うと、継続的に学習が進められる、グループ学習ができるなどのメリットがありますが、コンピュータとインターネット環境があれば、無料で使えるプログラムやアプリがあったり、教材を個人で購入することもできますので、自宅でプログラミングを学ぶことも可能です。

 

今回はプログラミング教室でも使われているものを、どんなことが学べるのかも含めてご紹介していきます。

 

プログラミングを学ぶ意味

ご紹介に先立ち、小学生からプログラミングを学ぶ意味とは何か?について考えてみませんか。ここまでプログラミング教室が話題になると「早くプログラムが書けるようになっておかないと将来まずいのでは」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、おそらく、そんなことはありません。文部科学省有識者会議でも今回の小学校での必修化の目的は、プログラムが書けるようになることではないと言われていますし、私の周囲でプログラムを書くことを仕事にしている人たちからも「子どもの頃からプログラムを書ける必要はない」「プログラミングを嫌いになるくらいだったらむしろ小学生からやらないほうが良い」という声が聞こえてきます。

 

経済産業省が2016年に発表した「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」では、近い将来、日本での「IT人材」が不足するとされています。

 

http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/27FY/ITjinzai_report_summary.pdf

なので、IT人材の仕事としてのニーズは、今の子ども達が大人になる時はもちろんあると思います。ですが、小中高段階でそのためにプログラムが書けるようになっておかなければ、ということはなく、むしろ、IT分野に興味があり(嫌いでない)、仕事として選択する可能性がある人が増えることが求められています。

 

以上を踏まえると、プログラミング学習の意味としては以下が挙げられるのではないでしょうか。

■試行錯誤をし、思考力を育てる

-動きが確認しやすいツールを使い思考の結果を視覚的に確認する 

■世の中に働きかけるためのツールとして使う

-ゲームやアプリ、装置などをつくり、誰かに使ってもらうという経験をする 

■世の中を支えている仕組みについて知る

-IoTの仕組みやコンピュータの仕組みがわかるツールを使い、自分で設計してみる

 

つまり、プログラミング言語をマスターすることを主目的とするのではなく、学習ツールを使うことで色々と考えて試してみることを目的とするのが良いと思います。

前置きが長くなってしまいましたので、事例の紹介は次のブログでさせていただきますね!

 

参考サイト:

小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ):文部科学省

 

 

 

 

 

 

個性とこだわりがぶつかり合う、全国鉄道模型コンテスト2018

みなさまこんにちは。私学妙案研究所の清水です。

先日、東京ビッグサイトで開催された、鉄道模型コンテスト2018を見学させていただきました。ミニジオラマワークショップ、Nゲージ・HOゲージ体験、駅弁販売など、鉄道にまつわる色々なイベントを楽しめますが、中でも参加者の視線を集めていたのが、「全国高等学校鉄道模型コンテスト」です。高校生による鉄道模型ジオラマ製作の全国大会で、今年で10回目となります。

モジュール部門と、一畳模型部門があり、

モジュール部門では、直線は 300mm×900mm、曲線は 600mm×600mmのサイズでの鉄道模型と動画、製作記を提出します。

一畳模型部門では、一畳以内の大きさの模型を提出します。

今年は北海道から鹿児島まで、全国の高校から140校の参加があったそうです。

 

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私はそもそもあまり鉄道のことに詳しくなく、鉄道模型とは、電車の模型?なんて思っていたのですが、鉄道模型とは、駅や風景など、鉄道が通る場所の模型なんですね!(初歩的ですみません…)

 

どの景色や地形を選ぶのか、どんな素材でつくるのか、どこにこだわるのか、など、それぞれの作品で違いがあり、とても面白かったです。私の独断ではありますが、独断で面白いと思った作品を紹介していきますね。

 

こちらは、一畳模型部門の、桐朋中学・高等学校の作品です。

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1つの模型の中に、春、夏、秋、冬の4つの季節を表現しています。よくみると、季節ごとに木の表現が違っているのが面白いですね。材料については100円均一ショップなど、どこでも手に入るものを使う、ということを方針されているそうです。

 

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そしてこちらは、東京都立大崎高等学校、ペーパージオラマ部の作品です。

なんとほとんどの部分が紙でつくられているそうです。

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そしてこちらは、白梅学園清修中高一貫部の模型です。

天空の城ラピュタに出てくる電車のシーンを見て、全体像を想像しながらつくったそうです。

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細かい部分まで、アニメの世界観が再現されているのが印象的でした。

 

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新しい技術を用いた精巧な模型も多くありました。中でも、東大寺学園の橋は、レーザーカッターを用いて、かなり精巧につくられています。

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こちらは、渋谷駅を忠実に再現した、海城学園の作品です。

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「普通を極める」をテーマに、関西にある、どこかの郊外のベッドタウンをつくったのは、灘高等学校灘中学校のみなさん。都市工学を学び、セットバックや日影、道路の勾配など、建築基準法に忠実に再現されているそうです。たしかにどこかで見たことのあるような街並みです。

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そして、最優秀賞に選ばれた関東学院六浦高等学校・中学校の作品では、京都の川沿いの風景が、情緒たっぷりに表現されていました。

 

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技術、コンセプト、見せ方など、どの学校もそれぞれこだわりがあり、見ていて面白かったですし、クオリティの高さに圧倒されました。どの学校の生徒さん達も、熱のこもった説明をしてくださったり、撮影のお勧め角度を教えてくださったりして、作品への愛が伝わってきました。来年の開催も決まっているようですよ。鉄道が好きなかただけでなく、模型全般が好きな方、旅好きな方、高校生の熱量に触れたい方にも、お勧めのイベントです。見学させていただき、ありがとうございました。

 

鉄道模型コンテスト2018

2018年の夏休み!自由研究の参考になるイベント一覧(関西版)

みなさまこんにちは。私学妙案研究所の清水です。多くの小学校では夏休みが始まりましたね! 

先日首都圏を中心に、夏休みの宿題、自由研究の参考になりそうなイベントをまとめたところ、関西も!というリクエストをいただきましたので、夏やすみが始まってはいますが、掲載いたします。

※2018年7月24日時点の情報を掲載しています。詳細はそれぞれのリンク先でご確認ください。

 

1.夏休み2018宿題・自由研究大作戦!

◆大阪会場:インテックス大阪 1号館

8月2日(木)・3日(金)の2日間9:00~16:00

 

色々な企業が出展するブースで、工作や職業体験などができます。

※ホームページから事前の申し込みが必要です。

www.jma-wakuwaku.com

 

2.キッズプラザ大阪、夏の特別企画ワークショップ

大阪市北区にあるキッズプラザ大阪では、夏の特別企画ワークショップが、夏休み中はほぼ毎日実施されています。

今年のテーマは「飛ぶ」のようですよ。

ようこそキッズプラザ大阪へ 〜遊んで学べるこどものための博物館〜

 

3.夏休み自由研究!色の変化!

~身近な野菜や花で色素の実験をやってみよう~

7月29日(日)グランフロント大阪で色についての実験が行われます。

神戸市と、兵庫医療大学が主催です。

※メールにて予約が必要です。

 

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4.きっづ光科学館ふぉとんの親子工作

京都市木津川市にあるきっづ光科学館ふぉとん(奈良駅からバスでアクセス可)では、夏休みは親子工作が充実しています。

7月は、科学工作、8月上旬は恐竜工作に注目です。

きっづ光科学館ふぉとん | トップページ

 

 

5.夏休みラストスパート!宿題おかたづけ広場

◆会場:住まいの情報館HDC神戸 B1Fステーション広場
入場無料8月18日(土)、19日(日)10:00-17:00

18日はサイエンスワークショップDay、

19日は工作ワークショップDayです。

夏休みの後半になって自由研究に悩んでいる子ども達のお助けですね。

各回先着50名。事前に整理券を配布する場合もあるそうです。

 

6.こうべまちづくり会館「夏っこお助け隊2018」

神戸市中央区元町にあるこうべまちづくり会館では、

7/24、7/26、8/5、8/11、8/21、8/26の6日程で、それぞれ別の工作、体験ができます(参加費がかかります)。

当日参加型のものと、事前申し込みのものがあります。

2018/7/24-8/26 夏休み子どもワークショップ『夏っ子お助け隊2018』 | イベント | こうべまちづくり会館

 

 

7.人と自然の博物館

兵庫県三田市にある、人と自然の博物館では、毎日ではありませんが、夏休みの自由研究にも適した工作や体験が行われています。

www.hitohaku.jp

 

8.近鉄文化サロン阿倍野 夏のこどもチャレンジ

大阪市阿倍野区にある近鉄文化サロン阿倍野では、せっけんづくり、おうちの貯金箱づくりなど、こどもだけで参加できる講座が数多く準備されています。入会手続きと各講座への事前申し込みが必要ですが、中学生までの方は入会金が無料だそうです。

www.d-kintetsu.co.jp

 

ご紹介したほとんどのイベント、ワークショップは屋内で行われますが、夏の日中、行き帰りには十分お気をつけくださいね!

2018年の夏休み!自由研究の参考になるイベント一覧(首都圏版)

みなさまこんにちは。私学妙案研究所の清水です。

もうすぐ子ども達の夏休みが始まりますね。キャンプや花火大会など、夏ならではの楽しみもありますし、宿題や勉強にも普段とは違った時間のかけ方ができます。

 

首都圏を中心に、夏休みの宿題、自由研究の参考になりそうなイベントをまとめました。上手に利用して、宿題を楽しんでくださいね!

※2018年7月18日時点の情報を掲載しています。詳細はそれぞれのリンク先でご確認ください。

 

1.夏休み2018宿題・自由研究大作戦!

◆東京会場:東京ビッグサイト東7ホール

7月26日(木)~28日(土)の3日間9:00~16:00

◆大阪会場:インテックス大阪 1号館

8月2日(木)・3日(金)の2日間9:00~16:00

◆仙台会場:夢メッセ みやぎ

8月9日(木)・10日(金)の2日間9:00~16:00

入場無料ですが、参加するイベントによってはキット購入など有料となります。

 

色々な企業が出展するブースで、工作や職業体験などができます。

※ホームページから事前の申し込みが必要です。

www.jma-wakuwaku.com

 

2.丸の内キッズジャンボリー2018

◆会場:東京国際フォーラム ロビーギャラリー、ホールE他

8月14日(火)、15日(水)、16日(木)10:00~17:00

入場無料

 

職業体験や工作に加え、宇宙や恐竜についての講義があったり、ダンスパフォーマンスを見たり、宿題に役立つ本を見つけたりと幅広く楽しめるイベントです。

事前申し込みが必要なプログラムも多いので、ホームページでご確認ください。

www.tif-kids.jp

 

3.さいたまスーパーアリーナ夏休みスペシャルワークショップ2018

in TOIRO

◆会場:さいたまスーパーアリーナTOIRO(4階)

7月21日(土)~26日(木)

ペーパークラフト、デジタルワークショップなどが体験できます。

ワークショップにより実施日が異なります。

事前にセブンチケットを購入して参加します。チケットが残った場合のみ当日販売が行われます。

https://www.saitama-arena.co.jp/event/workshop2018/

 

4.キッズエンジニア2018

◆会場:パシフィコ横浜 展示ホールC,D他

7月27日(金)、28日(土)9:30-17:00

入場無料

 

自動車を中心とした様々な分野の科学技術やものづくりが学べる体験型学習イベントです。教室型プログラムと体験型プログラムがあります。

教室型プログラムでは、車の仕組みや未来の自動車について学びます。

体験型プログラムでは、運転体験や、エンジニア体験などができます。

教室型プログラムの事前申し込みは終了していますが、当日参加できるものもあります。また、体験型プログラムは当日参加型です。

www.jsae.or.jp

 

5.鉄道模型コンテスト2018

◆会場:東京国際展示場(東京ビッグサイト) 西 3 ホール

 8月4日(土)10:00〜18:00〈入場は17時まで〉

 8月5日(日)10:00〜17:00〈入場は16時まで〉

 大人1日券1,000円​ ( 小学生以下無料)

 

鉄道をテーマに、ジオラマ鉄道模型展示、ワークショップなどが実施されます。全国高等学校鉄道模型コンテストが同時開催され、多くの高校の鉄道模型を見ることができます。小学生が選ぶベストワン賞が今年から新設されるなど、小学生歓迎のイベントとなっています。

 

鉄道模型コンテスト2018

 

6.はまぎんこども宇宙科学館 自由研究ラボ

◆会場:はまぎんこども宇宙科学館

7月21日(土)~9月2日(日)9:00~17:00(最終入館16:30)第1、第3火曜日を除く

入館料大人400円、子ども200円(毎週土曜日は、小・中・高校生の入館料が無料)

 

 はまぎんこども宇宙科学館では、夏休み期間中は毎日、実験や工作、体験型のイベントが行われる他、実験や工作のキットも販売されています。事前申し込みが必要なものと、当日参加型のものがあります。

 

www.yokohama-kagakukan.jp

 

行ってみたいイベントは見つかりましたか?

まだまだ暑い日が続きますので、熱中症対策をしっかりして、お出かけくださいね!

 

私学妙案研究所

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神奈川県私立中学高等学校協会 創立70周年記念国際交流事業レポート ー鎌倉散策:後編

神奈川県私立中学高等学校協会(私立中高協会)は、今年度創立70周年を迎えられ、その記念事業の1つとして、国際交流事業が行われました。今回は鎌倉散策の後編をお伝えいたします。

 前編はこちら:

神奈川県私立中学高等学校協会 創立70周年記念国際交流事業レポート ー鎌倉散策:前編 - 私学妙案研究所News

 

午後は、ダニエル・コインさんのグループに同行させていただきました。

午前中は宝徳寺と杉本寺に行かれたそうで、ダニエルさんは初めて見た竹林にとても感動されたそうです。午後はあまり時間がなかったのですが、小町通りを散策し、午後はとても暑かったので氷を食べたり、買い物を楽しみました。

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言語学と日本語を専攻しているダニエルさん。日本の文化にとても興味を持っていて、ずっと日本に来てみたかったそうです。日本車が好きで、その中でも特に好きな車種を偶然目にすることができ、興奮する一幕も。道中では、ご自身が乗られている車や将来欲しい車のこと、好きな音楽のこと、学生生活のことなどが話題となり、生徒さん達はアメリカの大学生の生活について知ることができたようでした。また、ダニエルさんは2校のインターンを体験してみて、日本のほうが学校にいる時間が長く、クラブ活動なども活発なので、日本の高校生のほうが忙しいと感じたそうです。また、学校の先生方がとても素晴らしく、インターンとして一緒に働けたことがとても楽しかったと話してくださいました。

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ダニエルさんに同行した生徒さん達は、とても英語が堪能。写真左の坪祢さん、右端の佐山さんは、それぞれ1年間、3か月の留学経験があり、帰国後、英語で話す機会があまりないと感じたため、今回のプロジェクトに応募されたそうです。真ん中の伊藤さんは、先ほどご紹介したノートをつくられた生徒さんで、当日のルート変更に、もっと他の場所も準備しておけばよかった、と言いつつ、道中しっかりと英語でコミュニケーションをとっていました。また、生徒さんどうしでも英語でコミュニケーションを取られていたのが印象的でした。

 

鎌倉散策の合間に、順次、甲冑体験、ゆかた体験が行われました。甲冑は兜も合わせると合計20キロという、かなり本格的なものです。ゆかたを希望したインターン生には、着付けとメイクがおこなわれ、学校に隣接する建長寺で、プロカメラマンによる撮影がおこなわれました。

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甲冑体験準備中のトーマス・リットマンさん(左)とノア・アレンさん(右)。

トーマスさんの専攻は日本語とコンピュータ・サイエンスで、ずっと日本に留学したいと思っていたことが、今回のインターンにつながったそうです。実際に学校で教えてみて、彼らと年齢も近いこともあって生徒達の考えがよくわかったとともに、彼らの英語のスキルが予想よりも高かったことに驚いたそうです。また、将来は先生になりたいと思っていて、世界がテクノロジーでつながる時代だからこそ、色々な言語がわかる人材が必要になるのではないか、とお考えだそうです。

 

ノアさんの専攻は日本語、言語学で、日本語は3年間勉強されています。今回インターンに参加されたきっかけは、日本語の環境で過ごしてみたかったということでした。鎌倉散策では、生徒と一緒に回ったことで、神社や歴史のこと、日本の習慣や作法などについてよくわかり楽しかったし、日本文化についてもよりよくわかったとのことでした。生徒さん達は、ノアさんの案内に加え、チップの仕組みなどのアメリカ文化や、英語表現について教えてもらったそうです。

 

↓こちらがトーマスさんの甲冑姿。きまってますね!

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青を基調とした浴衣がよくお似合いの、ミシェル・リンさん。大学では化学と日本語を学ばれています。インターンで行った2校とも、生徒が生き生きしていたのが印象に残っているそうです。また、先生が素晴らしかったので、一緒に働けたのがとても良い経験になったと話してくださいました。日本で印象に残っているのは、日本の人たちのホスピタリティだそうです。ホストファミリーにもとてもよくしてもらい、これからも交流を続けたいとのことでした。また、今回のインターンをきっかけに、将来先生になるという可能性についても考えるようになったそうです。

 

各グループが学校に戻り、最後に全員で集合写真を撮って、鎌倉散策は終了となりました。インターン生のみなさんと神奈川の私学の生徒さん達は、1日でとてもうちとけたようで、時間ぎりぎりまで別れを惜しんでいました。

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今回記念事業に参加されたインターン生の10名は、約50名の希望者の中から、エッセイと面接で選ばれた方達で、専攻の際、日本語を専攻していることに加え、インターンとして日本の中高生にどう貢献したいか、という視点を持っているかが重視されたそうです。実際に散策に同行させていただき、どのインターン生の方もとても話しやすく、そして生徒さんを気づかっていらっしゃるなあと感じていたのですが、その選考基準を聞いてとても納得しました。

 

また、参加された生徒さんたちも、英語を話す機会が欲しい、以前国際交流イベントに参加して思うように話せなかったので、再チャレンジしたかった、といった方が多く、積極的に会話に参加されているのが印象的でした。

 

鎌倉散策の翌日、インターンのみなさんは羽田空港から無事に帰国されました。インターンのみなさんにとっても、私学の生徒さんたちにとっても、とても充実した18日間だったようです。引率のフーゲンブーム智子先生からは、今度はぜひメリーランド州にというお話がありましたので、今後の展開も楽しみですね。

 

取材をさせていただき、ありがとうございました。

神奈川県私立中学高等学校協会 創立70周年記念国際交流事業レポート ー鎌倉散策:前編

神奈川県私立中学高等学校協会(私立中高協会)は、今年度創立70周年を迎えられ、その記念事業の1つとして、国際交流事業が行われました。今回は鎌倉散策の前編をお伝えいたします。

 

■鎌倉散策

鎌倉散策は、6月24日(日)9:30-16:30、鎌倉学園およびその周辺で行われました。インターン生1名と中高生4-5名が1グループになり、それぞれ10グループで鎌倉市内散策と甲冑体験、ゆかた体験を行うというものです。

 

事前準備:

中高生のグループは、県内の私立中高から集まった計40名が、違う学校の生徒が混在する形でグループをつくり、そこに鎌倉学園のESSの生徒が1-2名アシストに入るという形でつくられました(鎌倉学園のESSの生徒さん達は、2014年より、鎌倉を訪れた外国人観光客を英語で案内する「KAMAKURA ENGLISH TOUR」を行っている、鎌倉案内の達人です)。事前学習は2回行われ、約1か月前の5月26日にグループ分けを行い、前日の6月23日に、コミュニケーションについて確認する会が行われました。散策コースの設定はグループに任されていたため、この1か月で準備を行ったそうです。

 

初対面、しかも別々の学校の生徒どうし、準備は大変だったのではないかと思って聞いてみたのですが、会う回数はそれほどつくれなくても、SNSでグループをつくり、話し合いを進めたそうです。事前に訪問先の下見をしていたグループもありました。訪問先について英語で説明ができるよう、事前に準備をしている生徒もいました。神奈川県内の私学とはいえ、鎌倉の訪問経験は生徒により差があります。そこを逆にうまく使い、あまり訪問したことのない生徒が要望を出し、よく知っている生徒が現実的なタイムラインに落としていくといった役割分担をしているチームもありました。

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当日:

案内の生徒達が集合し、まず、鎌倉散策を企画された、鎌倉学園英語科の飯塚直輝先生より、本日の流れについての確認がありました。

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インターン生のみなさんは連日の行事続きで疲れている方もいるので、リラックスして楽しめる会にすること、予定したルートでも混みあっていた場合は訪問先変更など臨機応変に対応することなど、ホスピタリティを大切にして散策を行えるよう、再確認をします。

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インターン生のみなさんが到着!お互いの自己紹介をして、早速鎌倉散策に出発です。

午前中はハナ・チャンさんのグループに同行させていただきました。

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鶴岡八幡宮に参拝し、参道を散策。お昼にお蕎麦を食べました。写真右端の鎌倉学園の日向さんは、ESSの活動でもう20回もツアーをしているベテランです。鶴岡八幡宮ではハナさんの疑問に全て答えられていました。

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デザートはぶどう飴!神社と食の両方を楽しめる、バランスの良いルートですね。グループの中で、最初、歴史の案内はちょっと苦手と言っていた生徒さん達も、途中から食の話でとても盛り上がっていました。また、道中ではクラブ活動や好きな教科、兄弟やペットの話など、色々な話題が出ていました。午後は、あじさいで有名な長谷寺などを訪問したそうです。ハナ・チャンさんは大学でコンピュータ・サイエンスと日本語を専攻しています。日本に来るのは初めてですが、トランジットで日本に寄ったことがあり、以前から日本にとても興味を持っていたそうです。今回のインターンで、新しい食べ物にたくさんチャレンジしたとともに、日本の人たちのやさしさが印象に残ったと話してくれました。

 

後半はこちら:

s-goodidea.hatenablog.com

神奈川県私立中学高等学校協会 創立70周年記念国際交流事業レポート ー英語ディベート大会・ディベート体験:後編

神奈川県私立中学高等学校協会(私立中高協会)は、今年度創立70周年を迎えられ、その記念事業の1つとして、国際交流事業が行われました。今回は英語ディベート大会・ディベート体験の後編をお伝えいたします。

 

前編はこちら: 

神奈川県私立中学高等学校協会 創立70周年記念国際交流事業レポート ー英語ディベート大会・ディベート体験:前編 - 私学妙案研究所News

 

第三試合が終わったところで得点による順位発表が行われ、3位が桐光学園B、2位は浅野B、1位は浅野Aとなりました。3位の桐光学園はこの後、メリーランド大学と「フレンドリーマッチ」を行います。1位の浅野Aと2位の浅野Bも決勝戦へと進みます(はからずも同じ学校での対戦となりました)。

 

さて、ここでちょっとブレイクタイム。他校との交流を図るために5×5の英文が書かれたビンゴカードが配られ、参加者同士が質問しあって該当する項目があれば英文の下の空欄に生徒に名前を書いてもらうというゲームが行われました。同じ学校の生徒に名前を記入してもらうことや、話すことはできません。話せるのは他校の生徒、それも英語で会話をするというルールです。生徒たちはとても楽しそうに英語で会話し、次々とビンゴカードを埋めている様子でした。英語を使うといつもよりも積極的に話せるようになるようです。

 

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いよいよフレンドリーマッチメリーランド大学(肯定側)対3位桐光学園Bチーム(否定側)の対戦です。論題は「All schools should require their students to wear uniforms.(すべての学校には制服があるべき)」

下の写真がフレンドリーマッチの様子です。互いに2番目のディベータに対し、挙手をし、異議を唱えます。とても白熱しています。

 

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結果はメリーランド大学の勝利!お互いの健闘を称えて握手をした後、写真撮影を行いました。

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そして決勝は浅野Bチーム(肯定派)対浅野Aチーム(否定派)。論題は「We should abolish the death penalty.(死刑は廃止されるべきだ)」。この論題が発表されると、会場では「おぉ~!!」と歓声が沸きました。会場の生徒たちも、先生もこの論題に興味津々な様子です。

試合が始まると浅野の生徒たちの英語力、論理的思考力のすごさに会場全体が聞き入ってしまいました。論点としては、「冤罪のケースもあるのに死刑を執行してもよいのか」「死刑があることが犯罪の抑止力になるのでは」「死刑宣告をしなければならない裁判官にストレスがかかる」などが挙げられ、肯定側、否定側が限られた時間の中でお互いの論点をしっかりととらえてディベートをしているところがすごかったです。また、浅野の生徒たちはただ英語を話すだけでなく、まるでラップを歌うかのようにリズムよく英語を話しており、それも相まって説得力が増していたように感じました。

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さて、結果は・・・

浅野A(否定側)の優勝でした!

優勝チームには金メダルと賞状、そして県知事賞としてトロフィーが贈呈されました。

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2位と3位のチームにも賞状やメダルが授与されました。また、大会で個人スコアーの高かった10位までの生徒が優秀ディベーターとして表彰されました。ワークショップのディベート体験で頑張っていた生徒たちにも「優秀ルーキーディベーター」として賞状が授与されました。みなさんおめでとうございます!

 

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今回のワークショップによるディベート体験とディベート大会は神奈川県私立中学高等学校の創立70周年記念国際交流事業の初の試みとして行われましたが、日々生徒たちが学習している英語よりも、より英語が身近なものになっていくとても素晴らしいイベントだと感じました。生徒たちも、「もっと英語を話せるようになりたい」、「上手くディベートで話すことができなかったので改めてチャレンジしたい」と話していたのがとても印象的でした。